九 月 例 会 (第五百八十九回)
               (令和元年九月十二日)

戦いを知らぬ人等の世とならむ再びあらすな空襲原爆(河野かなゑ)

アリジゴク潜める正体暴きだす秘密の遊びふるさとの夏(熊崎佐千子)

それぞれに孫達似合った職に就き私の関心曾孫に移る(川島綾子)

医師からの「直りますから」の言葉今日も聞けずリハビリ終わる(小椋勝宏)

鵜匠の言「もつれた縄を解くにはもつれていない縄から解け」(井上秀夫)

この暑さエアコン無しでは耐えられぬ退っ引きならず冷房つよめる(古田司馬男)

庭先の子猫の声はか細くてしきりに母を呼んでいるらし(土井信雄)

金沢の孫らがお盆で岐阜へ来て岐阜は涼しいと言うに驚く(長瀬武司)

初月給貰ったと鰻を送りくる孫へ感謝の舌鼓うつ(大西富士夫)

令和には長寿の老人多くなりひとりで生きる時代となるか(鈴木芙美子)

涼もとめ朝から二人デパートへ送迎をする家族に感謝(山田テル子)

八十を越えて解りしこと多く寅さんの映画に浸りてをりぬ(鈴木寿美子)

代わり映え無き日日過ぎ行く苛立ちを本に求めて「上機嫌の本」読む(安田武子)

熱帯夜の寝不足に耐え頑張った五時起きをしてグランドゴルフへ(鈴木光男)

令和元年の終戦記念日この先世界平和を思えば不安(久野高子)