燃えるとはよく言ったよな赤芽樫皐月の空へ気もち高ぶる(長瀬武司)
自民系勢力維持で安心す国体の捩じれあってはならぬ(古田司馬男)
恵那山を仰ぎ木曽川見下ろしておにぎり食べる苗木城址に(井上秀夫)
酒を買いとことこ我が家へ帰る路月と並んで吟行の夜(土井信雄)
買わにゃ駄目当たらぬものと知りつつも我が業深く又もや並ぶ(大西富士夫)
仕上げずに逝きてしまいし夫の絵のパティオに春の花は明るし(熊崎佐千子)
娘や孫ら日々是平穏花届きぬ上がらぬ株とひざ腰激痛(久野高子)
四年ごと声を張り上げ広めゆく日毎に新緑夏の景色に(安田武子)
門前に古き桜の咲くことを知らずにいたり亡き友の家(鈴木芙美子)
九十才何食べてれば長生きなの聞かれても困る普通の生活(丸山節子)
津波被害の更地に立ちて見渡せば彼方に広がる穏やかな海(川島綾子)
寒いはず昨日の雨は郡上では「雪と桜の共演」との記事(鈴木光男)
さまざまな人の入り来る選挙事務所票になるかと観察してる(鈴木寿美子)
出来るならいつ迄もこのわが風呂に憎き腰痛良くならないか(小椋勝宏)
万葉の世界知るに良い機会新元号で古典に目覚め(山田テル子)