十 月 例 会 (第五百九十回)
         (令和元年十月十日)

懐かしき幼なじみの声を聞き思い出されるふる里の事(土井信雄)

「触らんで」この言葉には刺がある珍しきもの我も知りたい(古田司馬男)

ありし日の母は会う度戦死した兄一途に語りて止まず(川島綾子)

初めての鵜飼見学楽しげに語る学童鵜鮎飛び上がる(安田武子)

そのための[愛」ではなかろ美しき「愛」の字名に入る幼児に向く虐待(熊崎佐千子)

娘等に誘われオーロラ見に行けり白夜見上げる杖をつきつつ(河野かなゑ)

もう少し日にちが経てば稲の秋黄金色付く美濃路を走る(長瀬武司)

寂聴の法話を聞けば気力湧くドンと背中を押された気分!(井上秀夫)

あかつきを破る雷鳴にわか雨梅雨の末期の恒例となる(大西富士夫)

「大正琴やりたいんでしょ?」と整形医の言葉残れり晴れの舞台に(鈴木寿美子)

腰痛も「軽く歩ける」今となり誰かが味方日々感じつつ(小椋勝宏)

異常気象を止めるため若者たちは動きだしたよ 私も言いたい子や孫のため(鈴木芙美子)

最後かも免許更新完了しわが運転の無事故を誓う(鈴木光男)(安田武子)

やつれ痩せ鏡みるのが怖かった思いをあかるくエムサイズを着る(山田テル子)

温暖化対策にノーのアメリカは強いハリケーンに襲われる(久野高子)

身に近き人みまかりぬ年老いていまはぼーとして何日か過ぐ(丸山節子)