二 月 例 会 (第五百八十二回)
           (平成三十一年二月十四日)

関にある世界ナイフ館に立ち寄ろうナイフに賭けたロマンを楽しむ(古田司馬男)

医師からの「ここが白く」とお告げありさらなるX線の検査か(小椋勝宏)

米花の咲きたる鍋に緑映ゆ健康願いつつ七草粥食べる(安田武子)

月までの旅もまもなく出来るらしいされどわたしは鄙びた湯宿(土井信雄)

十二月のカレンダーはメモラッシュ不意の歯痛がまたメモを増す(川島綾子)

沖縄の病院濠を見しことの心に残り今も忘れず(鈴木芙美子)

人参を切るのも難儀と云う友に目が見づらいとは云えずに別る(熊崎佐千子)

公園に「喫煙の過料二千円」の立て札のあり時代しのばる(鈴木光男)

多度大社・お千代保稲荷に南宮と欲ばって参る一月七日(井上秀夫)

山迫る小さなむらに人溢れこきりこ踊る雪明かりの里(大西富士夫)

コラーゲンいいよと友が持ってきた八十路のおんな二人で大笑い(山田テル子)

戦争のなかった平成の日本国貿易戦争先のゆくえは?(久野高子)

一年余入院してた弟はついに旅立った好物だった鰤大根供える(丸山節子)

春夏秋冬八十四回繰り返し私は何処へ行くのだろうか(河野かなゑ)

東京もカラスハト舞う銀座街妻の寝息と夜の明ける窓(長瀬武司)

一五〇、深呼吸してもう一度一二〇になる今日の血圧(鈴木寿美子)