八 月 例 会 (第五百六十五回)
                 (平成二十九年八月十一日)

春ごとに心待ちする二十余年今年もカンナ伸びて黄の花(安田武子)

ケイタイは電話し探せば返事する眼鏡は黙って待っているだけ(鈴木芙美子)

侮いのない看病しなきゃと思いつつ我慢できない私が居座る(河野かなゑ)

贅沢病生皮病のわれが居て健康の神たちまち逃げる(古田司馬男)

七夕に願いを込めて短冊に記す「百歳でも青春!」と(井上秀夫)

母云いしおんだ子さがすと今私ポケットのキーを探しあぐねて(川島綾子)

不具合でタカタリコールエアバッグデーター隠す社長と社員(長瀬武司)

酒のあてちりめん山椒と酢しょうがをつくりて待たん帰りこよ君(熊崎佐千子)

つりさげしすだれ三つが丈違いどうしようもなし笑うほかなし(丸山節子)

大相撲名古屋場所にて毎日を楽しみにしてテレビを見てる(福田時子)

暑さには弱い私の日課です朝は草引き日暮れの散歩(小原千津子)

都議選も藤井四段の結果など視る気もしない読む気もしない(鈴木寿美子)

素振りする汗にまみれてすがすがし傘寿をこえて今朝も素振りす(鈴木光男)

朝々の楽しみとしていす座禅背筋伸ばして今日が始まる(小椋勝宏)

虫よけのスプレーいっぱいまき散らしさ庭の草とる朝のひととき(鈴木寿美子)

無理しても跳ね起き朝のウオーキング八十路半ばの意地は残して(大西富士夫)

紫陽花は雨に映えるよ艶歌だね傘も和風でつばめ飛びかう(山田テル子)

品のよき媼となられし先輩にひさびさに逢い語らひ盡きず(佐野きく子)