二  月  例  会  (第五百三十四回)
           (平成二十七年二月十二日)

紅白のサザンの歌詞に賛否ありわれは賛成よくぞ言いたり(横山 稔)

金出せば思い通りになるという総理よあわれ民は悲しき (鈴木寿美子)

留学生おせち料理に興味もちあれこれ食べて謂れを聞きぬ(川島綾子)

寒い朝つげの垣根が山盛りに白いシュガーをトッピングしていた(井上秀夫)

先輩は運転免許証を返納し不便になったくらしを話す(古田司馬男)

妙心寺の天井に観る雲龍図説明を聞き気持高ぶる(長瀬武司)

大水の引くが如くに子等帰り老いの二人の年が始まる(河野かなゑ)

二十代に参加の出来た植樹祭なつかしみ見る天皇の森(大西富士夫)

孫達の集まる正月久しぶりに食事が楽しく話もはずむ(福田時子)

人よりに家のほこりの大掃除よい機会だと感謝しつつも(脇原貞子)

手作りの人形友より頂きて上衣も傘も忘れて帰る(鈴木芙美子)

セピア色のメモ紙がはらりと舞い落ちぬ万葉集の人恋う短歌が(安田武子)

年金より支出の多きわがくらし 今日は上寿司さげて帰ろう(久野高子)

別れ際「気をつけてね」と言い来しに言わるる身となる山茶花の道(小原千津子)

青虫はまるまる肥えて大寒の今日は見のがし日向にころり(丸山節子)

ブロック塀もぐりて道まで出で来たる南天の実のけなげに紅し(佐野きく子)