十  二  月  例  会   (第五百三十二回)
        (平成二十六年十二月十一日)

公園の整備すすめる市に対し市民は声寄せ地方の自治あり(横山稔)

情熱のサンバパレード静かなるうだつの街を一日ゆさぶる(鈴木寿美子)

孫と住み料理伝授は苦手だが戦中戦後の体験語る(川島綾子)

ヨガの道内観法で自己みつめ家族に感謝社会に感謝(古田司馬男)

山峡に小さき老人ホーム見え手を振る人と心つながる(鈴木芙美子)

隣り合う里の二階に明かりなく嫁ぎし姪に幸よ多かれ(安田武子)

内視鏡わが腸内をめぐりゆくグロテスクでもわが腸内(大西富士夫)

IPS癌細胞を分解し長寿の国へとさらに進ます(長瀬武司)

蔦紅葉見れば瞼に浮かび来る子供五人を育てし古家(佐野きく子)

いっぱいの陽を受けミカン色も良し味はいかがか楽しみに待つ(福田時子)

小春日のいい夫婦の日おだやかで里芋を掘る私は一人(丸山節子)

十回も登りたる山御嶽山いつも穏やかに迎えてくれた(小原千津子)

生きてゆく手だてとしたる本美濃紙文化遺産に登録成りぬ(河野かなゑ)

シュンシュンと湯気立つ釜の音聞きつ静寂の中正座は限界(久野高子)

冷え込みし朝起きるとき腰伸びずフラフープのごと腰回しみる(井上秀夫)