一  月  例  会  (第五百二十一回)
          (平成二十六年一月九日)

十二月八日とともに日本史に残されるべし十二月六日(鈴木寿美子)

認知症の妻が施設を拒むため悩む夫は涙をこぼす(古田司馬男)

この国の未来任せし議員たち秘密保護法を数で押しきる(河野かなゑ)

キム・ヨンジャの「自分を棄てる」ということば心に刻んで舞台で唄う(井上秀夫)

ひとり暮らせばみんな愛しい家族・友 距離おくことで優しくなれる (鈴木芙美子)

有りえない 段差にみごと足とられこれが加齢か容赦もされず(大西富士夫)

独りなる夕餉の卓に置く土鍋子育ての頃の団らん浮かぶ(佐野きく子)

健康に気をつけようねと再会を約して別れるうから三人(丸山節子)

突然死の訃報を聞きてわれもまたそうありたいな リハビリに通う(久野高子)

葉ぼたんも震え起こすやきな臭さ平和共存の新年を願う(安田武子)

賀状書く事も大儀な齢となり親友と互いに欠礼約す(小原千津子)

有名人兼高かおるの好物と女将勧める煮蛸味わう(長瀬武司)

高齢者講習終えて越す年の誕生日待つ米寿の我は(梅村成佳)

学校では英語ばかりの曾孫からのカードは日本語「二年生楽しいよ」(出町昭子)

濃い黄の花に冷たい雨そそぎ石蕗の花背を伸ばし咲く(福田時子)

父子家庭三歳の子は頭突きしてああ乳房なき父にめり込む(横山 稔)